Q018 コンサルタント契約を開始するにあたり個人事業の申請をすべきでしょうか?

Q
今年3月末に退職し、今は台湾の企業でマーケティング兼アドバイザーとして仕事をしています。
台湾企業からは日本人が社員として働くには就労ビザの取得が必要でなかなか申請を通すのに時間がかかるようです。
今は(就労ビザが必要ない)滞在90日以内の期間(基本的には1か月程度の滞在)で日本と台湾を行ったり来たりしています。
そこで、台湾企業から企業対企業のコンサルタント契約にしてはどうかと提案がありました。
私が日本の個人事業に登録して、コンサルタント料として給料を支払うというものです。
年収は約400万円程度になるかと思います。
収入が300万円以上だと自動的に事業扱いされるとの事で、このようなケースは個人事業として申請すべきでしょうか?(40代 男性)

A
台湾企業の社員になるのではなく、日本の個人事業主として台湾企業から受注するのですね。スムーズに業務を始めるためにはコンサルタント契約の方が良いのは間違いなさそうです。

コンサルタントを個人事業として始めるのであれば、開業から1月以内に税務署等に「個人事業の開業届出書」を提出します。そして来年の春にコンサルタント報酬を事業所得として確定申告をするわけです。「300万円以上だと自動的に」という決まりは特にありませんが、その金額であれば事業扱いされるのは間違いないかと思います。

ちなみに「個人事業の開業届出書」は提出をしなくとも罰則はありません。ですから、提出をしないまま事業を開始している方も少なからずいらっしゃいます。
提出をしなくとも事業所得として確定申告をすれば問題ありませんので、私は「絶対に提出しなければいけません!」と言うつもりはありません。「申告しません!」と言われたら「ダメです!!」と言いますけれど。

ですが、今回のケースでは「個人事業の開業届出書」の提出をお勧めします。

コンサルティングは原価がある商売ではありませんので、一般的に経費をあまり計上できません。ですから所得税と住民税の負担が大きくなりがちです。
ただ、「個人事業の開業届出書」とともに「青色申告承認申請書」を提出することで、確定申告を「青色申告」で出来るようになります。
青色申告の場合、ちゃんと帳簿をつけていれば「青色申告特別控除」として65万円分経費を上乗せすることが可能となり、所得税等の負担を減らすことが出来るわけです。
この効果は結構なものですよ。
この「青色申告承認申請書」は「開業から2月以内に提出しなければならない」という制限がありますので、開業日を確定するためにも「個人事業の開業届出書」を出した方が良いわけです。

ちょっと話は変わりますが、台湾の会社から支払われるコンサルタント料に、台湾の税金はかからないのでしょうか?
もし、台湾で課税される場合、台湾と日本の両方で課税が発生することになってしまいます。そういった重い税負担を回避するため、日本の所得税の計算上、台湾での税額を控除する制度(外国税額控除)が用意されています。この外国税額控除によって税金の負担は軽くなるのですが、適用の有無の判断や計算は簡単ではありませんので、この場合は専門家に相談された方が良いと思います。